CSV
Creating Shared Value
-共通価値の創造-



Creating Shared Valueとは?

CSVという概念は、ハーバード大学のマイケル・E・ポーター教授とマーク・R・クラマー氏が2011年6月にHarvard Business Reviewに発表した論文「Creating Shared Value(共通価値の戦略)」で広く知られるようになりました。この中でポーター教授らは、CSVを「社会のニーズや問題に取り組むことで社会的価値を創造し、同時に、経済的価値が創造されるというアプローチである」と定義しています。また、それはCSRでもなければ、フィランソロピー(社会貢献活動)でもなく、企業が経済的に成功するための新しい手法であり、資本主義と社会の関係の再構築を促す概念であると主張しました。

見方を変えると、CSVとは営利企業がその本業を通じて社会的問題解決と経済的利益の両立を追求し、かつ両者の間に相乗効果を生み出そうとする試みと言えます。従来、企業活動が盛んになると環境や社会にへ悪影響が生じるというトレード・オフが存在すると考えられてきましたが、そうではなく、両者の両立、更には相互に高め合う構造を目指すのがCSVです。

日本でもこうした資本主義のあり方を見直す主張が多くされています。原丈人氏の「公益資本主義」(2007年)、新井和宏氏の「持続可能な資本主義」(2019年)、夫馬賢治氏の「ニュー資本主義(ESG思考)」(2020年)など、主張の骨子は同じものがあります。また海外では、レベッカ・ヘンダーソン教授の「資本主義の再構築」(2020年)が注目されていますが、フィリップ・コトラー教授の「マーケティング3.0」(2010年)にもこうした流れを意識したような記述も見受けられます。

こうして見てくると、CSVとは、企業と社会の対立関係に決着をつけ、資本主義の歪みを解消する主張のように思えます。企業活動は社会や環境に悪影響を及ぼすものではなく、反対に社会や環境に良い影響をもたらすことができ、それが企業を強くし、企業価値の向上につながる。そんな変革を主導することがCSVの本分と言えるのではないでしょうか。

-意外と知られていない3種類のCSV-
当社では、3種類のCSVを組み合わせてCSV経営をデザインします。
製品と市場のCSV

社会課題解決する商品/サービスの展開や貧困層・開発途上国に貢献するビジネスなどを提供すること。また企業の社会価値を定義し直すこと。最も基本的なCSVの形でソーシャルビジネスとほぼ同義。途上国などでは、社会課題と顧客課題が一致することが多いため、途上国向けのビジネスを創出するとCSVとなることが多いが、先進国では社会価値の再定義が重要。

バリューチェーンのCSV

社会に負荷をかけているコストと自社にとっても高くついている共通コストを下げることで、自社の利益を向上させること。水や紙を節約するなど、エネルギーや資源を有効活用すること、調達や流通を効率化しCO2排出を抑えること、社員の健康や生産性向上を実現することなどを通じて、自社のコストも下げるアプローチであり、部署単位でもすぐに取り組める。

ビジネス環境のCSV

自社に関連するビジネスの環境を整えたり、課題を解決することで生産性を上げたり、自社の利益を向上させること。自社に関連する企業や組織などをネットワーク化して、事業効率をあげたり、仕入れ先などが抱える社会課題を解決することで、結果的に自社の生産性を高め、利益を向上させること。難易度は高いが成功すると強いインパクトがある。

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CSVへの取り組む際に理解すべき3つの違い
当社ではこれらの違いを明確にしてプロジェクトを進めます
CSRとCSVの違い
顧客課題と社会課題の違い
"Purpose"と"Mission"の違い
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"CSV"が学べる書籍-当社の書棚のCSV本-

サステナビリティ(水上武彦:2023年)
SDGsビジネスモデル図鑑(深井宣光:2023年)
SDGs思考 社会共創編(田瀬和夫/SDGパートナーズ:2022年)
9割の社会問題はビジネスで解決できる(田口一成:2021年)
パーパス経営(名和高司:2021年)

サステナブルビジネス(出雲充:2021年)
資本主義の再構築(レベッカ・ヘンダーソン:2020年)
サステナベーション(藤原遠:2020年)
SDGs思考(田瀬和夫/SDGパートナーズ:2020年)
ESG思考(夫馬賢治:2020年)
Q&A SDGs経営(笹谷秀光:2019年)
持続可能な資本主義(新井和宏:2019年)
Harvard Bisiness Review(2019年2月号) 
世界は自分一人から変えられる(坂口竜也:2017年)
「公益」資本主義(原丈人:2017年)
CSV経営とSDGs政策の両立事例(近藤久美子:2017年)
ビッグ・ピボット(アンドリュー・S・ウインストン:2016年)
知られざる競争優位(フリードヘルム・シュヴァルツ:2016年)
CSV経営戦略(名和高司:2015年)
限界費用ゼロ社会(ジェレミー・リフキン:2015年)
宣伝会議「CSVで社会と共に成長する企業」(2015年4月号)
Harvard Bisiness Review「CSV経営」(2015年1月号) 
CSV時代のイノベーション戦略(藤井剛:2014年)
CSV経営(赤池学,水上武彦:2013年)
マーケティング3.0(フィリップ・コトラー:2010年)
よい環境規制は企業を強くする(三橋規宏監修:2008年)
社会的責任のマーケティング(フィリップ・コトラー:2007年)


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